この記事は “Yet Another Internet Explorer Advent Calendar 2013” の 7 日目です。
どのブラウザーでも、訪問したページの履歴を保存して再度開けるようになっていたり、またフォームに入力した内容やパスワードを記憶しておいて再利用できるようにする「オート コンプリート」の機能を備えています。また Web サイトから永続的 Cookie (Persistent Cookie) として提供された Cookie は、ブラウザーを閉じた後も (サーバーが指定している有効期限が切れるまでは) 保存され続けます。
こうした機能はユーザーにとって、サイトを再訪する際や同じデータの再入力の際の手間を省いてくれたり、またブラウザーを閉じたりコンピューターを再起動しても特定のサイトにログオンし続けられるのでとても便利なのですが、反面そこからユーザーの行動や情報が漏洩するリスクも生じます。特に共有のコンピューターを利用する場合、例えログオン ユーザーが異なっていても、管理者権限を持っているユーザーであれば別のユーザーが保存しているこうした情報にアクセスできる可能性があります。
そのため多くのブラウザーでプライバシー保護の機能の一つとして、このような情報を永続的に保存せずブラウザーを閉じるとすべて削除してしまうモードが用意されています。Internet Explorer にも Internet Explorer 8 以降のバージョンで、「InPrivete ブラウズ」としてこのような機能が搭載されています。Internet Explorer で InPrivate ブラウズを開始する方法は以下の通りです 。
- ツール バーから InPrivate ブラウズを開始します
- Internet Explorer 8 の場合 : ツール バーの [セーフティ] をクリックして [InPrivate ブラウズ] を選択します
- Internet Explorer 9 以降の場合 : ツール バーの [ツール] ボタン
(歯車のマーク) をクリックし、[セーフティ] – [InPrivate ブラウズ] の順に選択します
- 新しいタブから InPrivate ブラウズを開始します
- Internet Explorer 8 の場合 : 新しいタブを開き、 [InPrivate ブラウズ ウィンドウを開く] をクリックします
- Internet Explorer 9 以降の場合 : 新しいタブを開き、画面下側の [InPrivate ブラウズ] または [InPrivate ブラウズを開始する] をクリックします
- キーボード ショートカットで InPrivate ブラウズを開始します
- Ctrl + Shift + P
- コマンドで InPrivate ブラウズを開始します
- [ファイル名を指定して実行] を開き、次のコマンドを実行します
iexplore.exe -private
- [ファイル名を指定して実行] を開き、次のコマンドを実行します
- スタート画面の Internet Explorer で InPrivate ブラウズを開始します (Windows 8 / 8.1 の場合)
- Internet Explorer を開き、画面上で右クリック (または画面下端または上端からスワイプ) し、表示されるタブ ツール アイコン
をクリック (タッチ) して [新しい InPrivate タブ] を選択します
- Internet Explorer を開き、画面上で右クリック (または画面下端または上端からスワイプ) し、表示されるタブ ツール アイコン
- デスクトップのタスクバーにピン留めした Internet Explorer から InPrivate ブラウズを開始します
- タスクバーにピン留めした Internet Explorer のアイコンを右クリックし、[InPrivate ブラウズを開始する] をクリックします
(ピン留めしたサイトのアイコンでも同様の操作でそのサイトの InPrivate ブラウズを開始できます)
- タスクバーにピン留めした Internet Explorer のアイコンを右クリックし、[InPrivate ブラウズを開始する] をクリックします
InPrivate ブラウズでは以下の動作になります。
- Cookie を保持しません
- すべての新しい Cookie がセッション Cookie として扱われます。従ってブラウザーを閉じてセッションを終了すると、セッション中に取得した Cookie はすべて削除されます
- 既存の (永続的) Cookie は読み取り可能です
- Web Storage も同様に動作します
- 一時ファイル (キャッシュ) はブラウザーを閉じてセッションを終了するとすべて削除されます
- 履歴は記録されません
- 新規のインターネット一時ファイルは Private ブラウズ ウィンドウの終了時に削除されます
- フォームへの入力情報は保持されません
- パスワードは保持されません
- アドレス バーに入力したアドレスは保持されません
- 検索ボックスに入力したキーワードは保持されません
- 訪問済みリンクは保持されません
InPrivate ブラウズが有効か無効かを Web ページのスクリプトから (したがって Web サイトから) 確認する方法はありません。ツールバーや BHO のような拡張機能からは、IEIsInPrivateBrowsing API を利用して現在の状態が確認できます。こうした拡張機能も、InPrivate ブラウズが有効の場合はブラウザー自身の動作に準拠した動作 (永続的な情報保存をしない、またサーバーに送信しない) 事が推奨されています。
とは言え全ての拡張機能がこうしたプライバシーを尊重した動作をするとは限らないので、既定では InPrivate ブラウズを有効にすると、拡張機能 (アドオン) が無効になります。アドオンの動作によってプライバシー保護が完全にならない危険性を理解した上で、InPrivate ブラウズでアドオンを有効にするには、以下の手順を実行します。
-
(Windows 8 / 8.1 の場合はデスクトップを開き) Internet Explorer を起動します
-
[ツール]
をタップまたはクリックし、[インターネット オプション] をタップ (クリック) します
-
[プライバシー] タブを開き、[InPrivate ブラウズの開始時に、ツール バーと拡張機能を無効にする] のチェック ボックスをオフにし、[OK] をタップ (クリック) します
参考
- Internet Explorer のセキュリティとプライバシーの設定を変更する (http://windows.microsoft.com/ja-jp/internet-explorer/ie-security-privacy-settings#ie=ie-11-win-7)
- IE8 and Privacy (http://blogs.msdn.com/b/ie/archive/2008/08/25/ie8-and-privacy.aspx)
- The Privacy Impact of Add-ons: New APIs for IE8 (http://blogs.msdn.com/b/ieinternals/archive/2009/06/30/ie8-privacy-apis-for-addons.aspx)
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