Windows 8 以降、Microsoft アカウントを利用すれば同じアカウントでサインインしている Windows 間で設定の同期が可能です。
[同期]できない
さて、Windows 10 Fall Creators Update を適用すると、この同期の設定が次のような表示になり、同期できなくなってしまう場合があります。
この「システム管理者」とはいったい誰のことで、また「システム管理者」はどうすれば良いのか、このメッセージだけでは分かりにくいですね。
この現象が起きたら、[設定] – [アカウント] – [職場または学校にアクセスする] を確認してみてください。ここで「職場または学校アカウント」として接続されているアカウントがあれば、それが同期できない原因です。
ここで接続されているアカウントは「職場または学校のアカウント」= Azure AD アカウント(別名「組織アカウント」、Office 365 や Dynamics 365、Power BI、Microsoft Azure のユーザー アカウント)であり、この状態は "Azure AD registered" という、デバイス(Windows 10 PC)が Azure AD に登録された状態です。Windows 10 ではこの他に "Azure AD Joined" という状態(Azure AD に参加=サインイン自体を Azure AD アカウントで行う)もあります。"Azure AD Joined" の場合はもともと Microsoft アカウントを使った設定の同期はできなかったのですが、Fall Creators Update で "Azure AD registered" の状態でも設定の同期が Azure AD 側で制御される動作に変更され、Microsoft アカウントを使った設定の同期はできなくなっています。
「職場または学校のアカウント」の登録はこの [職場または学校にアクセスする] から行うこともできますが、「メール」アプリで Office 365 アカウントを作成する場合などにも「アカウントを Windows に追加しますか」と聞かれて「はい」とすると登録されます。
そのためあまり意識せずに「職場または学校のアカウント」を追加しているという可能性もあります。
回避方法
それでは設定の同期を行うにはどうすれば良いのでしょうか。
一番簡単なのは、[職場または学校にアクセスする] に登録されている「職場または学校のアカウント」を削除することです。登録されているアカウント名をクリックし、[切断] ボタンを押せば削除できます。
「職場または学校のアカウント」をここから削除した場合の影響ですが、この「職場または学校のアカウント」でアクセスする Web サービス、「職場または学校のアカウント」でサーバーに接続するアプリケーションでシングル サイン オン(ユーザ名/パスワードの入力なしにサービスやサーバーを利用すること)ができなくなる可能性があります。とはいえほとんどの場合、アクセスに利用するブラウザーやアプリケーションの側で資格情報を記憶する機能(パスワード オートコンプリートなど)がありますので、実用上大きな不便が起きることはないでしょう。
また "Azure AD registered" ではなく "Azure AD Joined" の構成にして、Azure AD アカウントを利用した同期を行うことも可能です。これには Azure AD の管理者(=「職場または学校のアカウント」の管理者、Office 365 などのアカウント管理者)側での対処が必要です。詳しくは
を参照してください。